Paris - Autumn 2004 <2>

しかし、観光地はなかなか疲れるもの。裏庭のほうに出ると人が少ないのでしばしぼーっと眺め、今度はサン・ルイ島へ。こちらの島は細長く小さいながら、かわいい素敵なお店がたくさんあり、前に来たときにはここに泊まりたいと思ったほど。道も分かりやすくて、真ん中の大通りをそぞろ歩いているだけで楽しいところです。まずは絶対外さないと決めていたフィリップ・マルタンへ。こちらのお店は「料理王国」で、バゲットが美味しいと紹介されていたお店なのです。お散歩ルートに入っているなんて、絶対外せませんよね！！

・・・さてそのお店、外観はとてもこじんまりしており、かつ Mon MARTIN としか書いてないんです。でも番地からいくとこのお店に違いない！というわけで、他のお客さんとともに店内へ。料理王国でチェック済みの Baguette a l'Ancienne （前の人も同じ物を買っていたので発音真似しました・笑）を一本買い。紙（にはちゃんとPhilippe って書いてあるので間違いなし！）でくるっと手で持つところをくるんで渡されました。（もちろんちゃんと持ち帰り用の袋は持参済みです）さて、そのバゲットがこれ。見た感じ、ぺったりした感じで、インパクトはないですよね。これがかじると、なんともいえない味わいと甘味が中から出てきて美味しい！かなり穴ぼこな感じで、ちょっと黄色め。何だか新しいバゲットに出会った感じです。美味しいのでつい歩きながらぱくぱくと。

しかし、その先には私の好きなアイスクリーム屋さん Berthillon があるので、とりあえずバゲットはそこでしまって、アイスアイス♪何にしようか悩みつつ、前の人が頼んだ黒スグリがとても美味しそうだったのでそれに。かなり小ぶりなんですけど、黒スグリの酸味がきいていて、甘味もちょうど良いし、このコーンがまたおいしいの！ああやっぱりダブルにすべきだったなぁとちょっと後悔しつつ（といってもParisに到着してからの短い時間に一体どれだけ食べたことか！）ぺろりとごちそうさま。

道すがら素敵なお店を冷やかしつつ、橋を渡ってマレ地区へ。前回来たときはマレのホテルに泊まったのですが、この辺りもお店が色々あって楽しい地区。前回泊まったホテルも発見しました。とりあえずあてもなくぶらぶらと。O & Co. という、日本でも有名なオリーブオイルのお店に入って、こちらのイタリア風焼き菓子（というのか？）をポリポリと試食。うーん、これとっても美味しい〜！オリーブオイルがほんのり効いて、ポリッポリでやみつきになりそう！！会社のお土産にいいかも、とおもったのだけど、袋入りだから割れそうかなとか、よくよく見るとイタリア製だし、なんて思いながら、とりあえず保留。オリーブオイルも試食させてもらいましたが、それぞれに美味しい♪

マリアージュ・フレールの前も通ったので、折角だしということで紅茶を買うことにしました。マリアージュに限らずフランスの紅茶って結構フレーバーがかったものが多くてあまり得意ではないのですが、確か前に買ったアールグレイが美味しかったなぁと思い出しつつ、幾つか香りをかがせてもらい、ひとつお買い上げ。こちらではレジでまずお金を払ってから、カウンターで受け取ります。日本にもお店があるし、同じような雰囲気に作り上げているけれど、やはりこの落ち着いた、でもピンと糸の張った独特の雰囲気はここにこないと味わえないですね。お店を後にし、雑貨屋やブティックをのぞいて、更にぶらぶらと歩きます。

夕方もいい時間になってきたので、一旦ホテルに戻ることにし、来た道をたどって戻ります。途中、行きに場所だけチェックしておいた元同僚のお勧めのお店へ。チーズやさんは何だかちゃんと買える自信がなかったので（ああ、フランス語がしゃべれたら・・・）、もう一軒の生ハムを売っているお店へ。外から見えるように生ハムが足状態で（ってなんて言うんだろう）並んでいます。彼女のお勧めは「どんぐりしか食べていない豚の生ハム」だそうで、日本人スタッフがいるから大丈夫よ、という話だったのだけど、私が言ったときにはおらず。4種類ぐらい生ハムが並んでいたので、どう違うのかなぁと思っていたら、お店の人が英語で話し掛けてくれたので、英語で質問（ほっ。。）。どんぐりしか・・・というのは、イベリコ豚のことなんですね？イベリコは日本でも食べたことがあったのですが、そうとは知りませんでした。それぞれ試食もさせてもらい、私の好みのものを選びました。といってもかなりいいお値段。好きなだけ切ってくれるというので、少しでいいんですけど、って言ったら適当に切ってくれましたが・・・が、結構切ってるじゃんおじさん！！測ってもらったら既に100g超えていたので「もう十分です〜」と言ってストップしてもらいお勘定を。すると後からやってきて店内でワインを飲んでいた会社員らしきおじさんがいきなり日本語で「生ハムを食べるなら絶対赤ワインですよ〜。ビールは絶対ダメ！！日本人はすぐビールを飲むんだから・・・絶対赤ワインだよ！」と話し掛けてきました。びっくり。「日本語お上手ですねぇ」と言ったら「ありがとう。でもとにかく赤ワインなんだ！いいね！！絶対ビールはダメ！！！」と力説。わかったわかった(笑)。でもね、ワイン、ほとんど飲めないんですよ・・・グラスに軽ーく1杯で超ご機嫌なのに、ボトルあけるのなんてどれ位かかることやら。お店ならグラスでいいけれども。なんて思いながら、とてもかわいい紙袋に入れてもらった生ハムをもらって退散。ミュロでお惣菜を買おうかなぁと思って覗いてみたけれど、時間が遅かったのでパンもおかずもあまりなく、そして既にバゲットも一本あるので、結局また買わずにお店を後にしてしまったのでした。

そしてホテルに一旦戻って荷物を置く事にしたのですが、何だかこの部屋の鍵、開きにくいんです。最初案内してくれた人は「プッシュ、プッシュ！」と、押して回すと開くと力説してくれ、プッシュね、と頭に叩き込んだのはいいものの、押して回してもドアが開かない・・・おまけにここの廊下は、外国には良くあるタイプですが、人が来ると感知してしばらく電気がつくのだけど、10秒もしないうちに消えてしまうので真っ暗・・・時々動いて電気をつけながら必死でやるのだけどさっぱりダメ。これは無理だ、、、と思い一旦下に降りてフロントのおじさんに「開かないんですー」と訴えると一緒にきてくれて開けてくれました。エレベーターの中で「日本の鍵は違うのか？！日本人はみんな開かないって言うんだ。一体どうなってるんだ？」と笑いながら言ってたので、きっと私みたいな人も多いんだろうな。しかし・・・あ、あれ？！なんでそんなに簡単に開くの？！念のためおじさんの前で3回ぐらい練習し（結局プッシュって言うのは、向こうに押すことではなかったので、私のプッシュは無駄だったのでした・・・）こつを掴めたのでほっとしました。

荷物をおろして、再度出発。本当は夜にオルセーへ行こうと思っていたのですが（late opening dayだったので）、結構歩いて疲れたし、夜はちょっとゆっくりしたいなと思って、近くのお店をぶらつくことにしました。まずは Le Bon Marcheへ。こちらはデパートなのですが、私が目指すのは食料品を扱っている La Grande Epicerie Paris。行った時間が遅かったので、デリ系は既に売れているものもありましたが、いやいや、これは楽しい♪　前にも来てるはずなのですが、何分記憶が・・・。ここはホテルからも近いし、また来られるのでとりあえず後の買い物のための下見をし、夕食を調達することに。野菜が食べたかったのでインゲン豆とトマトのサラダなどを購入。あとはまた帰る前に来ることにしてお店を後にし、今度は近くのスーパー Monoprix へ。こちらは地下が食料品売り場になっているのだけど、同じフロアにキッチン雑貨など食料品以外のものもあったりで何だか面白いです。スーパーはやっぱりデパートよりはお値段がお安め。水やジュース、チーズにバター（このエシレ、安いんです！）、そしてお約束のヨーグルトなどを買いました。やっぱり楽しいですね、食料品売り場(笑)。

買い物を済ませてホテルに戻り、遅めの夕食タイム。このホテルはテーブルも広いのでゆったり広げて食事が出来ます。今日買ってきたものをテーブルに広げて、いっただきまーす♪

生ハムは、いいお値段なだけあって、塩気もちょうどよく、食感も良くて美味しかったです。ポワラーヌのパンにのっけて食べました。エシレのバター（無塩にしました）、ちょうどいいこくがあって美味しい〜〜！！日本でももうちょっと安かったら・・・と思いました。そして今日のヨーグルトは cerise。さくらんぼのようです。英国でもそうですが瓶入りヨーグルトも結構あります。中が見えるところがまた楽しい。適度な酸味でこくがあっておいしくいただきました。

英国とフランスのホテルの違うところ・・・一番思うのは、部屋にティーセットがあるかないか。そりゃいいホテルに泊まったらまた事情は違うのかもしれませんが、フランスのホテルにはティーセットがありません。英国だとどんな安い部屋でも（電話もテレビもなくても）大抵は部屋にティーセットがついてるものです。あのぼこぼこの湯沸し機と紅茶・コーヒーなど、ちょっといいところだとビスケットなんかが置いてあるものですが、フランスはないところが多いのでしょうか？お湯が沸かせるとスープなんかも飲めるのにな。なので飲み物を買い忘れるとつらいことになってしまうのが難点。ここのホテルにはミニ冷蔵庫が付いてる事は確認済みだったので、飲み物やチーズ･バター類に、残った生ハムなんかも冷蔵庫に放り込んで、明日も楽しむことにしました。散々歩いたので、久々のバスタブにお湯を張ってリラックス。こうして Paris 1日目（といっても到着したのは3時ごろなのですけれど）の夜は更けていったのでした。





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